[O]印刷屋さんが喜ぶ新設な名刺データの作り方【Tips 1 〜塗り足しと特色〜 編】

Titleちょっとした記事を書くつもりが、予想以上に大きな記事になってしまってビックリしています、Olein編集長(@Olein_jp)です、こんにちわ。

前回の【[O]印刷屋さんが喜ぶ親切な名刺データの作り方【制作準備編】】では、データ入稿する印刷会社の仕様の確認から名刺の制作準備までを説明しました。

今回は、制作中に気をつけたほうが良い点をTips形式でご紹介したいと思います。

引き続き、ご質問などはOlein編集長(@Olein_jp)までリプライを飛ばしていただければ、お答えできることはお答えしたいと思います。では始めましょう!

塗りしろの設定範囲は3mm!外トンボまで!

そもそも、塗りしろってなんだよって感じですが下の図で解説します。

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最終的には上の画像でいう黒く半透明になっている部分が断裁されて製品となります。その断裁されるラインよりも塗りをはみ出させる範囲塗りしろとボクの周りでは呼んでいます。

なぜ必要なのでしょうか?

簡単に言うと、断裁がずれる可能性があるからです。紙に寄っても様々ではありますが、印刷機を通ると若干の紙の伸び縮みが発生する可能性があります。

そして、断裁はみなさんご存知の通り大きな断裁機で行うのが普通です。ですので、ランダムに多少伸び縮みした紙を一気に断裁することになります。よって、当然のように少々の断裁誤差というものが発生します。

1mmの断裁誤差は大きすぎますが、0.5mmの断裁誤差は起こり得ます。そして、結果として塗りしろを作らないと、このように断裁されたデータが手元に届きかねません。

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拡大するとこんな感じです(ブラックの線は断裁ラインがわかりやすいように残してあります)。

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実際のところ、このような状況になる可能性があるデータに関しては、良心的に修正データを作成してくれるか、もしくは完全にお客様のデータに手を付けない会社だと、再入稿手続きをとらないといけなくなります。後者のようなことになると、納期が送れることになりますので、タイトなスケジュールで入稿し、納期を予測しているとこれだけで大打撃を被ることになります。

印刷会社さんの為にも、自分の為にも塗りしろは断裁ラインから3mm、外トンボまで伸ばしておきましょう。

特色指定には要注意

制作に慣れない最初の頃は、なかなかCMYK4色を利用して思い通りの色を表現しづらいものです。僕自身、制作の現場に足を踏み入れた時は、「自分はこんなにも色馬鹿だったのか?」と思うくらい全く思い通りの色を作れませんでした。そのため、利用される方も多いかと思います。

そして、広告代理店制作部から印刷会社へと移ってきたボクが感じること。それは、特色指定のまま印刷データを入稿されると面倒ということです。

ちょっと特色の使い方も含めて解説していきますね。

特色を利用するときにはスウォッチライブラリから

特色の一覧を見たい場合は、【スウォッチパネル】の右上をクリックし、【スウォッチライブラリを開く…】から【カラーブック】でどのカラーブックを利用するかを選択することができます。

カラーブックというのは要するに特色をまとめた冊子のようなものがそれぞれ色々な会社から出ていまして、代表的なものでいうとPANTONETOYODICなどがあります。PANTONEなどはソフトバンクから発売されている携帯電話でたくさんのカラーバリエーションを揃えたラインナップの名前にも使われていました。耳にされたことがある方も多いかと思います。

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ここではTOYO94を使っていきます。

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余談ですが、ボクはリスト表示を推奨します。理由はボクの仕事上だけかもしれませんが、特色を色番号指定でされる場合が多いからです。「TOYO94の200で」とか、そんな感じです。表示形式を変更したい場合は【TOYO94】のパレットの右上をクリックして希望の表示形式を選択します。

特色を選択してみる

では、特色を選択してみましょう。今回は先ほど例にもあげましたTOYO94の0200を使いたいと思います。色を特色に変更したい場所を選択して(塗りか線かどちらを選択してあるか注意してくださいね)お好きな特色を選択します。

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これで特色の選択方法はお分かりいただけたかと思います。しかし、どの特色を利用するか悩みながら何度も特色をポチポチしていると、スウォッチパネルと分版プレビューパネルには選択したすべての特色が残っていきます。これが、印刷データに変換するときにかなり面倒になります。なにが面倒なのかは後ほど説明しましょう。

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特色をプロセスカラーに変換する方法と理由

先ほど触れましたが、「なぜ特色指定したまま入稿しないほうがいいのか」について説明していきます。

特色とは読んで字のごとく「特別な色」です。通常ですと、CMYK4色を駆使してカラー印刷を行いますが、キーになる色や1色印刷や2色印刷でも特色だけで印刷することもあります。その必要性などはこちらでは割愛しておきますが、様々な形で印刷のバリエーションを多くしてくれる頼もしい味方が「特色」というものです。

話は戻りますが、上の画像の状態ですと、厳密に(いじわるに?)いうと印刷データは4色+特色が5色=全9色のデータとなってしまいます。実際に使われているのはイエロー(Y)とスミ(K)と特色(TOYO94-0200)の3色です。

意地悪な印刷屋さん(ボクじゃないよ?)だと、この状態でも再入稿と言われかねません。厳密に言うと4色印刷用のデータではありませんからね。

であれば、どうすればいいのでしょうか?

答えは、「特色をプロセスカラー4色に変換する」という処理を行えば問題ありません。

わかりやすく図で説明してみます。

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特色をCMYK4色の近似値に振り分けることによって特色に似た色を4色で再現することが可能になります。この処理を行えば、特色で制作を進めることが可能です。最後にこの処理をすれば印刷屋さんも面倒がりません。

では、どのような方法でこの様な処理を行うのでしょうか。ご説明します。

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4色に分解したい特色のスウォッチをダブルクリックします。(因みに、特色のスウォッチには右下に黒のドットが目印でついています)

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カラーモードを【スウォッチ】から【CMYK】に変更します。これによって、特色1色からCMYK4色に変換されます。

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そして、【カラータイプ】を【特色】から【プロセスカラー】へと変更します。これによって、分版プレビューでもわかるように、特色1色からCMYK4色に変換されました。

この方法はあくまでも特色を4色に変換している状態です。ですので、厳密に言うと特色の色を100%は再現できません。あくまでも近似色という意味合いでご利用ください。

どうしても、特色の色を再現したいのであれば、費用はかさみますが特色を指定して印刷をする必要があります。

このように4色印刷データを入稿したい場合、必ず特色を4色へ変換しておきましょう。そうすれば、印刷屋さんが喜びます。(または、再入稿せずにすみます)

今回のまとめ

今回は塗り足しと特色についてお話しました。少しばかりはご理解いただけましたでしょうか?言葉ではなかなか説明しづらい部分も多くあり、画像が多めの記事になってしまっていますが大目に見てやってください。

次回は『アピアランスとアウトライン化、そして画像について』書きます。また、次回も読んでやってください。長い文章でしたが最後まで読んでいただきありがとうございました。