三度の飯よりサッカー大好き!Olein編集長(@Olein_jp)です。
オリンピック始まりましたね。先日のスペインvs日本の試合に白熱した方も多いはず。ちょうど五輪サッカーにも男女とも注目度が高くなってきているようなので、この機会に「オレイン編集長的いつもとは違うサッカーの観戦視点」をご紹介しようと思います。
海外サッカーなどを自分から好んで観ている方々や、サッカー経験者の方々は今から紹介するような視点で観ていることが多いのではないでしょうか?では始めましょう!
※サッカーのプレースタイルはクラブ、国ごとに様々です。今回のこの記事は五輪男子サッカー代表チームの試合を観るという観点で話を進めていきたいと思います。
フォワードのプレスからディフェンスが始まる!
最近のサッカーでは多くなってきましたが、フォワード(以下、FWと省略=攻撃の先頭にいる選手)からボールを持っている敵ディフェンダー(以下、DFと省略=守備をメインにプレーする選手)にどんどんとプレッシャーを与えていき、なるべく前で敵からボールを奪おうとする戦術を五輪男子サッカーチームでも取り入れているようです。
それはなぜか?というと、単純に考えてしまえば簡単なんですが、「より敵ゴールに近い場所でボールを奪えば、敵ゴールまでの距離は短くなり、得点する可能性が高くなる。そして、失点する機会も少なくなる」ということなんですねー。
言葉や理論で言うのはとても簡単なんですが、これを90分間の試合で実践していくのはとても大変なことなんです。(その理由の詳細は後述)だって、90分の間、走り続けて敵からボールを奪い、攻撃する。これを繰り返すわけですから、無闇矢鱈に走っていては倒れます。プロでも持ちません。間違いなく倒れる、もしくはプレスを止めてしまいます。
では、そんな大変なことをどうやって90分間続けるのでしょうか。それは、チーム連携にあります。
ボールの取りどころを予想してみよう!
では、チームで連携して敵からボールを取るにはどんな方法があるのか。先日、行われたスペインvs日本の両チームの選手の並び(フォーメーションとも呼ぶ)を参考に見ていきましょう。
まず、最初にFWがDFラインでボールを保持する敵にプレッシャー(プレス)をかけに行きます。もう、ここから始まっています。
しかし、これでは一人だけで敵に飛び込んでいるだけです。簡単に黄色の矢印の方向へボールを回されボールを奪うことは困難でしょう。そして、何よりも無駄な体力を消耗することになります。
では、このようにコースを限定していったらどうなるでしょう。
一方のコースを限定することによって、相手はサイドの選手へのパスコースのみの状況に限定されました。これでFWよりも後ろの選手は、チームとしてプレスをかけていくサイドを絞り込みます。
一つボールが動くごとに、相手のパスコースを消していきます。
そして、チームとして人数をかけてボールを奪うエリアが決まります。ここに複数の選手で敵を挟み込み、ボールを奪いに行くのです。
先日の五輪日本代表の試合を観ていると、プレスのかけどころはここら辺のエリアにしているようですね。あとは選手によっても対応を変えますし、チームによっての特徴も踏まえて試合前に決め事をすることが多いです。
これは例の一つでしかありませんが、このようにしてチームで連携しながらボールを取っていきます。
なぜボールを横に回すのか?!
試合を見ていると「なんでボールを横にばかり回してるんだろう?早く前に蹴りこんで攻めればいいのに」と思うことありませんか?これにはちゃんとした理由があるのです。
先ほど紹介しましたチームとしてボールを奪いに行く方法を見ていただいてもわかるように、レベルが高い試合になればなるほど、相手からボールを奪うのも大変になります。
ですから、必然的に自分たちのボールを簡単に奪われたくないという考えも生まれてきます。できれば、丁寧に攻めてシュートまで結び付けたい、と。
ボールを横に回す理由の一つとして、相手のギャップを広げて探っているという狙いがあるのです。
まず、ここにボールがあった場合のディフェンスの並びを覚えていてください。少しずつボールを横に動かしていきます。
分かりにくいかもしれませんが、ボールを動かすことによって(当然、攻撃側の選手もポジションを変えますが)、ディフェンスの形も様々に変化していくことがわかると思います。
そして、先ほど出てきた言葉ですが、相手のギャップとは一体何でしょうか。
この黒い線で示したもの。それがギャップです。要するにディフェンスしている敵それぞれの距離を空けていく、広げていく。そういうことをギャップを広げると言います。
ディフェンスしている側は、当然ですが得点をさせないために守っています。そして、自分たち選手間の距離をある程度保ちながらディフェンスします。
それは、選手間にボールが入っても早く攻撃選手にプレスをかけられるようにするためです。
この敵選手間の距離のバランスを崩していくために、横にボールを動かします。そして、攻めている選手はポジションを色々と変えながら、ディフェンスのバランスを崩して穴を探しているのです。(攻撃側の選手がぼぉーっと立っていることなく、前に行ったり下がってきたりするのはこのためです)
空いたスペースに走り込む選手を見逃すな!
最後になりますが、五輪男子サッカー代表チームのように、スピードに乗って攻撃することを得意とするチームは多くあります。
そして、そのようなチームの攻撃方法としてよく言われるのはカウンターと呼ばれる攻撃方法があります。
そのような攻撃をする場合、基本的な鉄則があります。それは、スペースに走りこんで攻めこむというもの。なぜかというと、考えれば簡単なんですが、自分たちの攻撃しているスピードを落としたくないからです。
攻めこまれてからの「反撃」「速攻」などのことを称してカウンターと呼ばれることが多いですが、「遅攻」の場合でもギアの入れ替えをしている場面を予測しながら見ていっても面白いと思います。
それではどんな見方をすれば、「遅攻」の中でのギアチェンジの瞬間を予測できるのでしょうか。簡単な例をあげてみることにします。
例えば、この様な感じで、このスペースを使ってスピードアップを行いながら攻撃する場合について説明してみます。相手のレベルが上がるにつれて、なかなか一本のパスでスペースを突くことは難しくなります。ですので、ワンクッション置いた攻め方が必要となります。
この場合ですと、この様なことも可能です。
ディフェンスというのは基本的に、外から自分たちが守っているゴールに攻めてくる敵に対して反応します。だから、逆に守っているところから離れる動きをされると見失いがちになります。その修正を使った攻撃です。
まず、中央にポジションを取っていた選手があえてサイドに開いていきます。こうすることによって、中央のDFはついていくこともできません。中をがら空きにすることはできませんので。
そして、サイドのDFはFWに体を入れられるため守備がしにくくなります。
その選手に後方からパスを回します。その瞬間に、サッカー指導者用語でいう「第3の動き」をもうひとりの選手が行い、スペースを突きます。
この様にスペースを突く動きをチームで狙って行うことにより、スペードアップの瞬間の意思統一ができます。そうすることによって、そのアクションを見た敵よりも早く反応することができ、良いポジションを確保できシュートまで持ち込むことが可能となります。
こちらで説明した流れの続きで言うと、スペースに流れた選手がそのままシュートまで持ち込むことは難しいと思います。ですので、次に反応した選手がゴール前でボールを貰うという形に発展すると思います。
まとめ
長々と書いてしまいましたが、こちらの内容を読まれて新鮮に感じた方は、次からのサッカー観戦が人一倍楽しくなるかと思います。
五輪だけではありませんが、サッカーの楽しみ方というのは本当に様々です。その一部でも、みなさんにお伝えできていれば幸いです。
サッカー観戦、楽しみましょう!